お知らせ
田村功一主任教授が病院長を務める横浜市立大学附属市民総合医療センター(市大センター病院、YCU Medical Center)では、最先端の高度専門医療と救急医療をともに担う大学病院として、各診療科・救急(ER)部主体にて、横浜市2次救急医療体制の輪番病院群への参画を開始しました
2025.4.21
「YCU Medical Center: 先端医療の、その先へ」を揚げ、横浜市の中心に位置する横浜市立大学附属市民総合医療センター(市大センター病院、YCU Medical Center)では、5つのアクションプランと3つのキーワードでもって全病院的な機能変革を推進しています。
そして、「市民の皆様に信頼され『地域医療最後の砦』となる病院を創造する」ことを基本理念とする地域密着型の大学病院として、高度専門医療・救急医療を提供しています。
高齢化が進む日本においては、認知症・フレイル、心不全、脳卒中、がん・悪性腫瘍、呼吸器疾患、慢性腎臓病、糖尿病、(新規)感染症、骨粗鬆症とそれに伴う骨折、など、単一疾患というよりは複数疾患を合併して慢性的経過の中で急性増悪を繰り返す疾患が多くを占め、当院での急性期高度医療による治療後も完治しない患者さんが増えてきました。
そのような高齢患者さんを、「日頃はかかりつけ医や訪問看護など地域で支え、急性増悪の時には速やかに急性期病院で治療してできるだけ早く地域にお戻しする」というのが、地域包括ケアのコンセプトです。
高度急性期病院である当院も、これに積極的に対応しています。
また、そういう近未来の急性期病院のあるべき姿を学生や次世代の医療従事者たちに示すことも、教育機関としての大学病院の使命と考えています。
このため当院では、「地域で診きれない患者さんはすべて速やかに受け、安全かつ適切に治療を行い、治療にめどがついたら速やかに地域にお戻りいただく」、常にこの流れを意識して医療を行っています。
具体的には、救急車、他の医療機関からのご紹介の患者さん、当院の受診歴のある患者さんは、たとえ予約外・夜間や休日の時間外でも全員診ることを基本方針としています。
令和7年4月からは、横浜市2次救急医療体制の輪番病院群にも参画を開始し、高度救命救急センター(救急医学スタッフ)主体の3次救急と各診療科・救急(ER)部主体の2次救急への一体的な応需体制を構築しており、増大しつつある横浜市・神奈川県の救急応需にも積極的に対応していきます。
これからも当院は、患者さんを中心とする多職種協働体制のもと、他の医療機関や介護施設との連携と役割分担を進めつつ、横浜市・神奈川県の医療充実に貢献していくことを最優先に取り組んで参ります。
*横浜市立大学附属市民総合医療センター「YCU Medical Center: 先端医療の、その先へ:田村功一病院長挨拶」(〒232-0024 神奈川県横浜市南区浦舟町4丁目57番地) https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/summary/greeting.html
*横浜市立大学附属市民総合医療センター 救急(ER)部: https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/section/emergency/ER/index.html
*横浜市立大学附属市民総合医療センター (市大センター病院、YCU Medical Center) 救急(ER)部 嶽間澤 昌泰(がくまざわ まさやす)部長:
*横浜市立大学附属市民総合医療センター (市大センター病院、YCU Medical Center) 医療機関・救急隊用 「急患相談・ER対応回線」救急(ER)部 受付: ☎️ 045-253-9929 (24時間・365日対応)
そして、「市民の皆様に信頼され『地域医療最後の砦』となる病院を創造する」ことを基本理念とする地域密着型の大学病院として、高度専門医療・救急医療を提供しています。
高齢化が進む日本においては、認知症・フレイル、心不全、脳卒中、がん・悪性腫瘍、呼吸器疾患、慢性腎臓病、糖尿病、(新規)感染症、骨粗鬆症とそれに伴う骨折、など、単一疾患というよりは複数疾患を合併して慢性的経過の中で急性増悪を繰り返す疾患が多くを占め、当院での急性期高度医療による治療後も完治しない患者さんが増えてきました。
そのような高齢患者さんを、「日頃はかかりつけ医や訪問看護など地域で支え、急性増悪の時には速やかに急性期病院で治療してできるだけ早く地域にお戻しする」というのが、地域包括ケアのコンセプトです。
高度急性期病院である当院も、これに積極的に対応しています。
また、そういう近未来の急性期病院のあるべき姿を学生や次世代の医療従事者たちに示すことも、教育機関としての大学病院の使命と考えています。
このため当院では、「地域で診きれない患者さんはすべて速やかに受け、安全かつ適切に治療を行い、治療にめどがついたら速やかに地域にお戻りいただく」、常にこの流れを意識して医療を行っています。
具体的には、救急車、他の医療機関からのご紹介の患者さん、当院の受診歴のある患者さんは、たとえ予約外・夜間や休日の時間外でも全員診ることを基本方針としています。
令和7年4月からは、横浜市2次救急医療体制の輪番病院群にも参画を開始し、高度救命救急センター(救急医学スタッフ)主体の3次救急と各診療科・救急(ER)部主体の2次救急への一体的な応需体制を構築しており、増大しつつある横浜市・神奈川県の救急応需にも積極的に対応していきます。
これからも当院は、患者さんを中心とする多職種協働体制のもと、他の医療機関や介護施設との連携と役割分担を進めつつ、横浜市・神奈川県の医療充実に貢献していくことを最優先に取り組んで参ります。
*横浜市立大学附属市民総合医療センター「YCU Medical Center: 先端医療の、その先へ:田村功一病院長挨拶」(〒232-0024 神奈川県横浜市南区浦舟町4丁目57番地) https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/summary/greeting.html
*横浜市立大学附属市民総合医療センター 救急(ER)部: https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/section/emergency/ER/index.html
*横浜市立大学附属市民総合医療センター (市大センター病院、YCU Medical Center) 救急(ER)部 嶽間澤 昌泰(がくまざわ まさやす)部長:
*横浜市立大学附属市民総合医療センター (市大センター病院、YCU Medical Center) 医療機関・救急隊用 「急患相談・ER対応回線」救急(ER)部 受付: ☎️ 045-253-9929 (24時間・365日対応)
金口翔助教、石賀浩平医師らが、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)からアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)への切り替えが高度慢性腎臓病(CKD)患者の24時間血圧を安全に改善することを『American Journal of Hypertension』に報告し早期公開されました
2025.3.26
蛋白尿を伴う慢性腎臓病(CKD)ではCKD進行予防の目的でアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)をはじめとしたレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬による血圧管理が推奨されていますが、CKDが高度に進行した患者ではRAS阻害薬の増量により腎機能低下や高カリウム血症をきたし、RAS阻害薬を中止せざるを得ないことがあります。
近年に登場したアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)はアンジオテンシンII受容体遮断とネプリライシン阻害の二重の作用機序を持つ初の薬剤で、従来のRAS阻害薬よりも診察室血圧および家庭血圧を低下させます。
しかし、高度CKD患者を対象にARNIの血圧降下作用や安全性を検証した研究は少なく、特に24時間血圧測定による詳細な血圧パターンの変化を評価した研究はありませんでした。
循環器・腎臓・高血圧内科学教室 の金口翔助教、石賀浩平医師(博士課程3年)らは、ARB服用中にもかかわらず血圧管理が不十分な高度CKD患者を対象に、ARBからARNIへの切り替えが24時間血圧に及ぼす効果と安全性を検証しました。
ARNIへの切り替えの12週間後に24時間平均血圧、日中血圧は有意に低下し、腎機能の悪化や高度高カリウム血症、その他ARNIによる重篤な有害事象はありませんでした。
本研究の結果からは、ARBをARNIに切り替えることで、高度CKD患者の24時間血圧を有意に低下させ、安全に高血圧治療を強化できることが示唆されました。
本研究成果は「American Journal of Hypertension」誌に掲載されました(2025年3月10日早期公開)。
論文情報
タイトル: Switching from ARBs to sacubitril/valsartan safely improves 24-hour ambulatory blood pressure in patients with advanced chronic kidney disease.
著者: Sho Kinguchi, Kohei Ishiga, Hiromichi Wakui, Kengo Azushima, Tomohiko Kanaoka, Yusuke Kobayashi, Tatsuya Haze, Nobuhito Hirawa, Kouichi Tamura.
掲載雑誌: American Journal of Hypertension
DOI: https://doi.org/10.1093/ajh/hpaf028
近年に登場したアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)はアンジオテンシンII受容体遮断とネプリライシン阻害の二重の作用機序を持つ初の薬剤で、従来のRAS阻害薬よりも診察室血圧および家庭血圧を低下させます。
しかし、高度CKD患者を対象にARNIの血圧降下作用や安全性を検証した研究は少なく、特に24時間血圧測定による詳細な血圧パターンの変化を評価した研究はありませんでした。
循環器・腎臓・高血圧内科学教室 の金口翔助教、石賀浩平医師(博士課程3年)らは、ARB服用中にもかかわらず血圧管理が不十分な高度CKD患者を対象に、ARBからARNIへの切り替えが24時間血圧に及ぼす効果と安全性を検証しました。
ARNIへの切り替えの12週間後に24時間平均血圧、日中血圧は有意に低下し、腎機能の悪化や高度高カリウム血症、その他ARNIによる重篤な有害事象はありませんでした。
本研究の結果からは、ARBをARNIに切り替えることで、高度CKD患者の24時間血圧を有意に低下させ、安全に高血圧治療を強化できることが示唆されました。
本研究成果は「American Journal of Hypertension」誌に掲載されました(2025年3月10日早期公開)。
論文情報
タイトル: Switching from ARBs to sacubitril/valsartan safely improves 24-hour ambulatory blood pressure in patients with advanced chronic kidney disease.
著者: Sho Kinguchi, Kohei Ishiga, Hiromichi Wakui, Kengo Azushima, Tomohiko Kanaoka, Yusuke Kobayashi, Tatsuya Haze, Nobuhito Hirawa, Kouichi Tamura.
掲載雑誌: American Journal of Hypertension
DOI: https://doi.org/10.1093/ajh/hpaf028
当教室ホームページに横浜市金沢区の慢性腎臓病(CKD)診療連携医療機関リストを掲載しました
2025.3.14
厚生労働省、日本医師会、日本腎臓学会、日本腎臓病協会でも、患者さんを中心として「地域のかかりつけ医・腎臓専門医」と「当院のような地域基幹病院の腎臓専門医」がともに患者さんの主治医となり、互いに連携し共同で治療を担当する「2人主治医制」を推奨しています。
当院でも金沢区医師会と連携して横浜市金沢区の慢性腎臓病(CKD)診療連携医療機関リストを作成しました。
「診療のご案内」タブに連携医療機関リストを示しておりますので、ご受診の際に活用ください。
新しい先生方の御参画がありました際には随時更新いたします。
横浜市金沢区の慢性腎臓病(CKD)診療連携医療機関リスト
当院でも金沢区医師会と連携して横浜市金沢区の慢性腎臓病(CKD)診療連携医療機関リストを作成しました。
「診療のご案内」タブに連携医療機関リストを示しておりますので、ご受診の際に活用ください。
新しい先生方の御参画がありました際には随時更新いたします。
横浜市金沢区の慢性腎臓病(CKD)診療連携医療機関リスト
3月10日(月)~13日(木)にかけて横浜市庁舎で「世界腎臓デー」にあわせたイベントを開催し、田村功一主任教授等が参加します!
2025.2.28
横浜市立大学附属病院が立ち上げた「横浜慢性腎臓病(CKD)対策協議会*1」が、3月13日の「世界腎臓デー*2」にあわせて、2025年3月10日(月)~13日(木)に横浜市庁舎2階のプレゼンテーションスペースでイベントを開催します。
このイベントは、市民の方への慢性腎臓病(CKD)の早期発見・早期治療の重要性を伝えることを目的としており、3月13日(木)には、本学の医師が腎機能の簡易測定や健康相談等を行います。
1.展示イベント
【日時】2025年3月10日(月)~3月13日(木) 9:00 ~ 20:00
※10日(月)は13:00開始、13日(木)は12:00終了
【場所】横浜市庁舎2階プレゼンテーションスペース
(横浜市中区本町6丁目50番地の10)
【内容】慢性腎臓病(CKD)の早期発見・予防方法や治療等についての展示(タペストリ、パネル、動画)
2.参加型イベント 『自分の腎機能を調べてみよう』
【日時】2025年3月13日(木) 10:00~12:00(先着20名:当日受付)
※定員に達し次第、終了する場合があります。
【内容】
・簡易測定
その場で簡単な血液検査をして「血清クレアチニン値」「eGFR値」を測定し、自分の腎機能を調べることができます。
《ご注意》検査では、指先に針を刺す必要があります。あらかじめご承知おきください。
・健康相談コーナー
本学の医師と横浜市の保健師が、腎臓に関する治療、検査結果の見方、生活習慣の改善(例:食事、運動)等の健康相談に応じます。
用語説明
*1 横浜慢性腎臓病(CKD)対策協議会:横浜市医療局との連携によりヘルスデータに基づくCKD関連データを可視化することを通して、横浜市における包括的腎疾患対策を推進・強化することで、県民・市民の健康を増進させることを目的として設立した協議会。
(関連記事)
横浜市における腎疾患・慢性腎臓病対策の推進を目指す 「横浜慢性腎臓病(CKD)対策協議会」を発足(本学ホームページ) https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2023/20230721CKD.html
慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)は、腎機能低下が続く様々な腎臓病の総称。
現在日本では、20歳以上の約5人に1人が患者とされ、新たな国民病ともいわれる。
悪化し末期腎不全に至ると人工透析が必要となり、患者さんのQOLの低下や医療費の増大が課題となっている。
*2 世界腎臓デー:腎臓病の早期発見と治療の重要性を啓発する国際的な取り組み。
国際腎臓病学会と腎臓病財団国際協会によって共同で提案され、毎年3月の第2 木曜日に実施することが定められた。

このイベントは、市民の方への慢性腎臓病(CKD)の早期発見・早期治療の重要性を伝えることを目的としており、3月13日(木)には、本学の医師が腎機能の簡易測定や健康相談等を行います。
1.展示イベント
【日時】2025年3月10日(月)~3月13日(木) 9:00 ~ 20:00
※10日(月)は13:00開始、13日(木)は12:00終了
【場所】横浜市庁舎2階プレゼンテーションスペース
(横浜市中区本町6丁目50番地の10)
【内容】慢性腎臓病(CKD)の早期発見・予防方法や治療等についての展示(タペストリ、パネル、動画)
2.参加型イベント 『自分の腎機能を調べてみよう』
【日時】2025年3月13日(木) 10:00~12:00(先着20名:当日受付)
※定員に達し次第、終了する場合があります。
【内容】
・簡易測定
その場で簡単な血液検査をして「血清クレアチニン値」「eGFR値」を測定し、自分の腎機能を調べることができます。
《ご注意》検査では、指先に針を刺す必要があります。あらかじめご承知おきください。
・健康相談コーナー
本学の医師と横浜市の保健師が、腎臓に関する治療、検査結果の見方、生活習慣の改善(例:食事、運動)等の健康相談に応じます。
用語説明
*1 横浜慢性腎臓病(CKD)対策協議会:横浜市医療局との連携によりヘルスデータに基づくCKD関連データを可視化することを通して、横浜市における包括的腎疾患対策を推進・強化することで、県民・市民の健康を増進させることを目的として設立した協議会。
(関連記事)
横浜市における腎疾患・慢性腎臓病対策の推進を目指す 「横浜慢性腎臓病(CKD)対策協議会」を発足(本学ホームページ) https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2023/20230721CKD.html
慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)は、腎機能低下が続く様々な腎臓病の総称。
現在日本では、20歳以上の約5人に1人が患者とされ、新たな国民病ともいわれる。
悪化し末期腎不全に至ると人工透析が必要となり、患者さんのQOLの低下や医療費の増大が課題となっている。
*2 世界腎臓デー:腎臓病の早期発見と治療の重要性を啓発する国際的な取り組み。
国際腎臓病学会と腎臓病財団国際協会によって共同で提案され、毎年3月の第2 木曜日に実施することが定められた。

第4回日本腎不全合併症医学会学術集会・総会が2025年2月14日(金)~16日(日)に沖縄県市町村自治会館にて開催されました
2025.2.16
第4回日本腎不全合併症医学会学術集会・総会(大会長:加納岩総合病院 透析アクセスセンター センター長 深澤瑞也先生)が2025年2月14日(金)~16日(日)に沖縄県市町村自治会館にて開催され、当教室から小林竜助教が発表しました。
様々な腎不全の合併症に関して活発な討論がなされる学術集会でした。
《口演》
小林 竜 「血液透析併用を行う長期腹膜透析患者に発症したβ2-MG高値の一例」」
様々な腎不全の合併症に関して活発な討論がなされる学術集会でした。
《口演》
小林 竜 「血液透析併用を行う長期腹膜透析患者に発症したβ2-MG高値の一例」」
田村功一主任教授らは、NPO法人日本腎臓病協会(JKA)柏原直樹理事長とバイエル薬品株式会社との産学連携国際共同研究により、慢性腎臓病(CKD)の診断において、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)が糖尿病合併有無にかかわらず費用対効果が高いことを報告
2025.2.3
横浜市立大学附属市民総合医療センターの田村功一病院長(医学部循環器・腎臓・高血圧内科学 主任教授)は、NPO法人日本腎臓病協会(JKA)の柏原直樹理事長とバイエル薬品株式会社との産学連携国際共同研究により、慢性腎臓病(CKD)の診断において、腎障害の指標である尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)は糖尿病の合併有無にかかわらず、他の指標と比べ費用対効果が高いことを明らかにしました。
田村病院長は同学のYCU病院経営プログラム*1(現在のYCU医療経営・政策プログラム)および同大学院国際マネジメント研究科SIMBA(Social Innovation MBA)プログラムを修了しており、それらにおける研究成果が活かされました。
研究成果のポイント:
● UACRによるアルブミン尿の評価は慢性腎臓病(CKD)の診断・重症度判定に必須
● 糖尿病合併有無にかかわらずUACRに高い費用対効果
● UACR算出に必要な尿アルブミン定量測定の保険適用拡大と普及に期待
本研究成果は、「Journal of Diabetes Investigation」(論文1)および「Clinical and Experimental Nephrology」(論文2)に掲載されました(2024年11月22日および12月16日)。
論文情報:
論文1
タイトル: The health-economic impact of urine albumin-to-creatinine ratio testing for chronic kidney disease in Japanese patients with type 2 diabetes
著者:Koichi Asahi, Tsuneo Konta, Kouichi Tamura, Fumitaka Tanaka, Akira Fukui, Yusuke Nakamura, Junichi Hirose, Kenichi Ohara, Yoko Shijoh, Matthew Carter, Kimberley Meredith, James Harris, Örjan Åkerborg , Naoki Kashihara, Takashi Yokoo.
掲載雑誌: Journal of Diabetes Investigation
DOI : 10.1111/jdi.14293https://doi.org/10.1111/jdi.14293
論文2
タイトル: The health-economic impact of urine albumin-to-creatinine ratio testing for chronic kidney disease in Japanese non-diabetic patients
著者:Tsuneo Konta, Koichi Asahi, Kouichi Tamura, Fumitaka Tanaka, Akira Fukui, Yusuke Nakamura, Junichi Hirose, Kenichi Ohara, Yoko Shijoh, Matthew Carter, Kimberley Meredith , James Harris, Örjan Åkerborg , Naoki Kashihara, Takashi Yokoo.
掲載雑誌: Clinical and Experimental Nephrology
DOI : 10.1007/s10157-024-02600-9https://doi.org/10.1007/s10157-024-02600-9
関連記事:
日本腎臓病協会とバイエル薬品、産学連携の共同研究
慢性腎臓病の診断に尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)が高い費用対効果
(NPO法人 日本腎臓病協会)
https://j-ka.or.jp/krij/event/project.php
慢性腎臓病の診断に尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)が高い費用対効果(Bayer Pharma Japan)※報道関係者向け情報
https://www.pharma.bayer.jp/ja/press-release/news2025-01-09?token=JElceGlLazNGVWg1M0UwOw==
「YCU Medical Center: 先端医療の、その先へ」(横浜市立大学附属市民総合医療センター 病院長挨拶)
https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/summary/greeting.html
横浜市立大学ホームページ
https://www.yokohama-cu.ac.jp/res-portal/news/2024/202502023_tamura.html
田村病院長は同学のYCU病院経営プログラム*1(現在のYCU医療経営・政策プログラム)および同大学院国際マネジメント研究科SIMBA(Social Innovation MBA)プログラムを修了しており、それらにおける研究成果が活かされました。
研究成果のポイント:
● UACRによるアルブミン尿の評価は慢性腎臓病(CKD)の診断・重症度判定に必須
● 糖尿病合併有無にかかわらずUACRに高い費用対効果
● UACR算出に必要な尿アルブミン定量測定の保険適用拡大と普及に期待
本研究成果は、「Journal of Diabetes Investigation」(論文1)および「Clinical and Experimental Nephrology」(論文2)に掲載されました(2024年11月22日および12月16日)。
論文情報:
論文1
タイトル: The health-economic impact of urine albumin-to-creatinine ratio testing for chronic kidney disease in Japanese patients with type 2 diabetes
著者:Koichi Asahi, Tsuneo Konta, Kouichi Tamura, Fumitaka Tanaka, Akira Fukui, Yusuke Nakamura, Junichi Hirose, Kenichi Ohara, Yoko Shijoh, Matthew Carter, Kimberley Meredith, James Harris, Örjan Åkerborg , Naoki Kashihara, Takashi Yokoo.
掲載雑誌: Journal of Diabetes Investigation
DOI : 10.1111/jdi.14293https://doi.org/10.1111/jdi.14293
論文2
タイトル: The health-economic impact of urine albumin-to-creatinine ratio testing for chronic kidney disease in Japanese non-diabetic patients
著者:Tsuneo Konta, Koichi Asahi, Kouichi Tamura, Fumitaka Tanaka, Akira Fukui, Yusuke Nakamura, Junichi Hirose, Kenichi Ohara, Yoko Shijoh, Matthew Carter, Kimberley Meredith , James Harris, Örjan Åkerborg , Naoki Kashihara, Takashi Yokoo.
掲載雑誌: Clinical and Experimental Nephrology
DOI : 10.1007/s10157-024-02600-9https://doi.org/10.1007/s10157-024-02600-9
関連記事:
日本腎臓病協会とバイエル薬品、産学連携の共同研究
慢性腎臓病の診断に尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)が高い費用対効果
(NPO法人 日本腎臓病協会)
https://j-ka.or.jp/krij/event/project.php
慢性腎臓病の診断に尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)が高い費用対効果(Bayer Pharma Japan)※報道関係者向け情報
https://www.pharma.bayer.jp/ja/press-release/news2025-01-09?token=JElceGlLazNGVWg1M0UwOw==
「YCU Medical Center: 先端医療の、その先へ」(横浜市立大学附属市民総合医療センター 病院長挨拶)
https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/summary/greeting.html
横浜市立大学ホームページ
https://www.yokohama-cu.ac.jp/res-portal/news/2024/202502023_tamura.html
JCHO横浜保土ケ谷中央病院 腎臓内科 藤本裕俊医師、中森悠医師、吉田伸一郎部長/医学博士らのハプトグロビン低発現者における血栓性微小血管症に関する症例報告が日本透析医学会雑誌に掲載
2025.1.29
血栓性微小血管症(TMA)は、志賀(Vero)毒素産生性大腸菌感染・膠原病・妊娠・移植などを契機に発症する急性腎障害・血小板減少・溶血性貧血を伴う重篤な病態です。
溶血性貧血を伴った場合間接ビリルビン優位の高ビリルビン血症・黄疸所見を認める場合がほとんどで、黄疸症状はTMAの場合も典型的な随伴症状として認識されていますが、今回著者らは黄疸所見を全く伴わない珍しいTMA症例を経験しました。
該当症例はTMAが沈静化し無事退院しましたが、著者らは退院後も数年の期間をかけ同症例について分析した結果、黄疸所見を伴わない溶血性貧血であった原因が、溶血後間接ビリルビンが産生されるヘム代謝の過程で必須となるハプトグロビンの恒常的な低発現者であったことを突き止めました。
またこの分析の過程で、日本では3000~4000人に1人程度の有病率である先天性ハプトグロビン欠損症の患者がTMAを発症した場合、同様な黄疸所見の乏しい非典型的な臨床所見になることが推測されました。
先天性ハプトグロビン欠損症は生来無症候ですが、ハプトグロビンを含む血液製剤を輸血や血漿交換で使用した場合感作が発生し、2回目以降の血液製剤使用時に重度なアナフィラキシーが生じることが問題と輸血学では知られていました。
また、TMAの診療において高度貧血に対する赤血球輸血や血栓形成を抑制させる目的で血漿交換がしばしば行われています。
今回の症例経験から以下のような考察内容が今後の診療に向けて提案されます(下図参照);
黄疸に乏しいTMA症例において、黄疸所見欠如の原因は先天性ハプトグロビン欠損症である場合より本症例のようなハプトグロビン低発現というアナフィラキシーのリスクは無い原因である場合の方が多いであろうと過去の疫学的調査の結果から推測される
しかしながら黄疸所見に乏しいTMAの診療においては、すべてのTMAにおいてと比較して先天性ハプトグロビン欠損症合併の可能性が有病率(1/3000~1/4000)より飛躍的に(30~100倍程度)高まると推測されるため、「既にTMAで重篤な状態の患者に1~数%の確率で重度アナフィラキシーが累積し得る」という認識でアナフィラキシー対策を十分整えて輸血・血漿交換の治療を行うべきである
TMA以外の溶血性疾患でも、黄疸所見に乏しい症例には同様な血液製剤使用時の対策を推奨する

なお、本症例報告は「日本透析医学会雑誌」誌に公表されました(2025年1月24日電子掲載)
タイトル:恒常的なハプトグロビン低発現者における血栓性微小血管症の1例
著者:藤本裕俊、中森悠、髙橋大輔、下山田高茂、秩父陽香、高田尚子、櫻井麻人、権代悠人、野崎有沙、吉田伸一郎、田村功一
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/58/1/58_16/_article/-char/ja
<地域医療機能推進機構(JCHO)横浜保土ケ谷中央病院・腎臓内科>
https://hodogaya.jcho.go.jp/medicalsubjects/%E5%86%85%E7%A7%91%EF%BC%88%E8%85%8E%E8%87%93%E5%86%85%E7%A7%91%EF%BC%89/
溶血性貧血を伴った場合間接ビリルビン優位の高ビリルビン血症・黄疸所見を認める場合がほとんどで、黄疸症状はTMAの場合も典型的な随伴症状として認識されていますが、今回著者らは黄疸所見を全く伴わない珍しいTMA症例を経験しました。
該当症例はTMAが沈静化し無事退院しましたが、著者らは退院後も数年の期間をかけ同症例について分析した結果、黄疸所見を伴わない溶血性貧血であった原因が、溶血後間接ビリルビンが産生されるヘム代謝の過程で必須となるハプトグロビンの恒常的な低発現者であったことを突き止めました。
またこの分析の過程で、日本では3000~4000人に1人程度の有病率である先天性ハプトグロビン欠損症の患者がTMAを発症した場合、同様な黄疸所見の乏しい非典型的な臨床所見になることが推測されました。
先天性ハプトグロビン欠損症は生来無症候ですが、ハプトグロビンを含む血液製剤を輸血や血漿交換で使用した場合感作が発生し、2回目以降の血液製剤使用時に重度なアナフィラキシーが生じることが問題と輸血学では知られていました。
また、TMAの診療において高度貧血に対する赤血球輸血や血栓形成を抑制させる目的で血漿交換がしばしば行われています。
今回の症例経験から以下のような考察内容が今後の診療に向けて提案されます(下図参照);

なお、本症例報告は「日本透析医学会雑誌」誌に公表されました(2025年1月24日電子掲載)
タイトル:恒常的なハプトグロビン低発現者における血栓性微小血管症の1例
著者:藤本裕俊、中森悠、髙橋大輔、下山田高茂、秩父陽香、高田尚子、櫻井麻人、権代悠人、野崎有沙、吉田伸一郎、田村功一
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/58/1/58_16/_article/-char/ja
<地域医療機能推進機構(JCHO)横浜保土ケ谷中央病院・腎臓内科>
https://hodogaya.jcho.go.jp/medicalsubjects/%E5%86%85%E7%A7%91%EF%BC%88%E8%85%8E%E8%87%93%E5%86%85%E7%A7%91%EF%BC%89/
第108回神奈川腎研究会総会・研究集会 開催と一般演題募集のお知らせ
2025.1.24
第108回神奈川腎研究会総会・研究集会 開催と一般演題募集のお知らせ
皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
謹啓 会員の皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、第108回神奈川腎研究会総会・研究集会を聖マリアンナ医科大学 櫻田 勉先生・丸井 祐二先生(碑文谷病院)世話人のもと下記の要領で開催させていただきます。
一般演題のテーマは、腎疾患に関するものであれば限定いたしません。
医師はもちろん看護師・臨床工学士さらには栄養士・薬剤師など広くご案内いただき多くの皆様のご来場をお待ちしております。
謹白
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記
日 時:2025年5月31日(土)午後12時30分~
場 所:神奈川県総合医療会館 7階ホール
横浜市中区富士見町3-1 TEL:045-241-7000
JR関内駅より徒歩10分/地下鉄伊勢佐木長者町より徒歩3分
特別講演:
「腎臓リハビリテーションの現状とこれから~人口減少時代を迎えて~」
講師:東京女子医科大学 腎臓内科学分野
教授・基幹分野長 星野 純一 先生
一般演題募集:テーマは特に限定しません。口演7分、討論3分とします。
抄録は500字以内(著者名・所属・演題名は除く)で、発表者名にはふりがなと○印を付け、合わせて職種をお知らせ願います。
プログラム作成の迅速化と誤字を防ぐため、抄録をメール添付書類として下記アドレス 宛に送信してください。抄録の作成はWord形式でお願い致します。
*お願い:電子ファイル(e-mail)送信後、5日以内に受信確認の返信がない場合は メールの不達も考えられますので、事務局へお問い合わせください。
演題:2025年3月24日(月)
抄録送付・お問合せ先:神奈川腎研究会事務局(事務局長 小林 竜/担当秘書 上田智子)

Tel :045-787-2633/045-787-2800(内線6088)
Fax:045-701-3738
〒236-0004 横浜市金沢区福浦3-9
横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学教室内
以上

横浜市立大学附属病院の安部えりこ医師、小林竜助教らが、肺結核に合併したIgA血管炎の症例を日本腎臓学会英文誌CEN Case Reportsに報告!
2025.1.10
横浜市立大学附属病院 腎臓・高血圧内科(現所属:済生会横浜市南部病院)の安部えりこ医師(指導教員:小林竜助教)が、肺結核に合併したIgA血管炎の一例について、日本腎臓学会英文誌であるCEN Case Reportsに報告しました。
本症例は、KM55,NAPlrなどの染色を行うことで、結核による免疫反応に惹起された二次性IgA血管炎と診断することが出来、免疫抑制療法を行うことで完全寛解となり良好な経過をたどりました。
肺結核に合併したIgA血管炎は大変稀少であり、重要な症例報告と考えられます。
【論文情報】
タイトル:IgA vasculitis with nephritis accompanied by pulmonary tuberculosis: a case report
著者:Eriko Abe, Ryu Kobayashi, Rio Matsuoka, Tomohiko Kanaoka, Shoji Yamanaka, Satoshi Fujii, Junki Koike, Takashi Oda, Hiromichi Wakui, Kouichi Tamura
掲載雑誌:CEN Case Rep.
https://doi.org/10.1007/s13730-025-00966-7
本症例は、KM55,NAPlrなどの染色を行うことで、結核による免疫反応に惹起された二次性IgA血管炎と診断することが出来、免疫抑制療法を行うことで完全寛解となり良好な経過をたどりました。
肺結核に合併したIgA血管炎は大変稀少であり、重要な症例報告と考えられます。
【論文情報】
タイトル:IgA vasculitis with nephritis accompanied by pulmonary tuberculosis: a case report
著者:Eriko Abe, Ryu Kobayashi, Rio Matsuoka, Tomohiko Kanaoka, Shoji Yamanaka, Satoshi Fujii, Junki Koike, Takashi Oda, Hiromichi Wakui, Kouichi Tamura
掲載雑誌:CEN Case Rep.
https://doi.org/10.1007/s13730-025-00966-7
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